防衛産業DXの現在と未来

– デジタルエンジニアリングの役割と展望 -
日本でも近年、政府の安全保障政策を巡る方針変更から、経済安全保障の強化、防衛予算の増額、防衛装備品の共同開発・生産など、防衛産業・防衛装備品を巡る環境は目まぐるしく変化しています。 米国の防衛産業では以前から納期の削減や開発コストの削減といった課題に対処するために、「デジタルエンジニアリング」を推し進めており、中でも米国防総省は昨年12月にDOD Initiative 5000.97を公表し、特別な例外を除き今後の調達ではMBSE等を始めとするデジタルエンジニアリング技術を使用することをサプライヤーに義務付けました。 日本でもNEDOによる「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称"K Program")」の一環として、MBSEを含むデジタル技術を含めた「航空機の設計・製造・認証等のデジタル技術を用いた開発製造プロセス高度化技術の開発・実証」事業が2023年から開始されるなど、国内でもそうした技術への注目が高まっています。 米国ペンシルベニア州に本社を持つシミュレーションソリューションのプロバイダーであるAnsysは各国の防衛産業・軍組織への豊富な納入実績を持ち、複数の物理場にわたるマルチフィジックスのシミュレーションツールはもちろん、ミッションエンジニアリングツールであるSTKやMBSE向けツールを提供しています。 Ansysは昨年6月、初の防衛産業DXに関するセミナーを開催しご好評を頂きましたが、今回は更に弊社の他にもソフトウェアベンダー様、実際に民間航空機にてデジタル化に取り組んでいらっしゃるメーカー様、ミッションエンジニアリングに取り組んでいるメーカー様などからのご講演を頂戴いたします。 ぜひこの機会に防衛産業に関わる皆様のご参加を賜りますよう、お願い申し上げます。

お申し込み

お問い合わせ

アンシス・ジャパン株式会社 マーケティング部 mailto:[email protected] https://www.ansys.com/ja-jp/contact-us ※在宅勤務中につき、大変お手数ではございますが、お問い合わせはメールにてお願いいたします。

ご案内

名  称 防衛産業DXの現在と未来 – デジタルエンジニアリングの役割と展望 -
開催日時 2024年07月30日(火)13:00-18:00 (受付開始 12時過ぎを予定)
開催形式 会場開催のみ
※英語スピーカーによるセッションは、日本語の同時通訳が入ります。
会  場 TKP市ヶ谷カンファレンスセンター 8F 大ホール 〒162-0844 東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル アクセス
申込期限 2024年7月25日(木)17:00まで ※定員に達し次第締め切りとさせていただく場合がございます。予めご了承ください。
注意事項 ・プログラム内容は予告なく変更させていただく場合がございます。 ・本セミナーは安全保障・防衛産業に関わるセミナーのため、競合他社の方、輸出禁止国の国籍の方、個人名義の方、企業情報を確認できない法人の方、フリーメールアドレスの方などの申し込みはお断りする場合があります。

プログラム

13:00-13:10
開会のご挨拶

13:10-13:50
デジタルエンジニアリングに関する国内外の技術動向について

米国国防総省(DoD)はデジタル・エンジニアリング・ストラテジーを2018年に公開して以降、ミッション・エンジニアリング・ガイド等の関連する技術戦略文書を立て続けに公開してきた。2023年12月に公開されたDoD Instruction 5000.97 ”Digital Engineering”では同Instruction公開以降、DoDの全プログラムでデジタル・エンジニアリングの原則的導入を義務付けている。この影響は技術研究開発や各種調達にとどまらず、運用、戦略立案等、防衛インフラ全体がデジタル・エコシステムという、より大きな枠組みに取り込まれつつあるととらえることができる。そして、その動きは米国にとどまらず、欧州やそれ以外の諸外国でも急激に進展しており、我が国でも始動しつつある。当日は、これらデジタル・エンジニアリングに関する国内外の技術動向についての調査結果を解説する。(注:本講演は、一般情報等に基づいて分析を行った結果をまとめた個人の見解であり、防衛省や防衛装備庁の見解ではございません。)

防衛装備庁 航空装備研究所 プロジェクト調整官 長官官房装備開発官(統合装備担当)付(併任)大田 啓様

13:50-14:15
Adoption of Digital Engineering in Global Aerospace and Defense Industry (和)グローバルな航空宇宙・防衛産業におけるデジタルエンジニアリングの適用

世界の航空宇宙・防衛産業は、モデルベース調達プロセスを用いてケイパビリティを獲得することを追求しています。MBSE、ミッションエンジニアリング、モデリングとシミュレーションのような概念を含むデジタルエンジニアリングがこれを可能にするのに役立ちます。本講演では、通信、GNC、自律システムなど、航空宇宙・防衛の特定の応用分野でデジタルエンジニアリングがどのように活用できるかを探ります。これらのユースケースを通じて、ミッション・モデリング、システム記述、モデルベース設計、詳細設計、システム統合、モデル/ハードウェア・イン・ループ、検証と妥当性確認、運用とプログノスティックスにおいて、デジタルエンジニアリングが何を可能にするかを浮かび上がらせます。 ※英語講演です ※レシーバーによる同時通訳が付きます

Prem Andrade, Distinguished Engineer, Ansys

14:15-14:40
航空宇宙・防衛産業向け装備システム開発のための Ansys DX ソリューション

デジタルエンジニアリングにおけるモデリング&シミュレーションの採用は、数値解析を用いて意思決定を支援する能力の獲得であり、意思決定の迅速化、コスト削減と開発時間短縮、確実なシステム統合など、将来の戦略的優位性の維持のために必須となる。本講演では、数値解析を中心にデジタル・エンジニアリングを構成する要素技術と、それらを組み合わせたソリューションの適用事例を紹介する。

アンシス・ジャパン株式会社 Lead Application Engineer 石川 学

14:40-15:10
ミッションから仕様導出までを具体例で解説 MBSEソリューション「GENESYS」を用いた装備品モデル活用事例

先進的な米国防衛産業では、ミッション全体の視点からシステムを設計・運用するために「ミッションエンジニアリング」の適用が進んでいます。弊社は、防衛・航空宇宙・製造業界に対し、MBSEコンサルティングと導入支援サービスを提供しており、多数の実績を有しています。また、図研のMBSEソリューション「GENESYS」は、米国国防総省(DoD)や防衛業界で行ってきたコンサルティング内容を反映したテンプレートを備えています。昨年度、航空幕僚監部様と行った役務でも、このテンプレートを使用し、オペレーションの問題点の抽出や、導出した装備品仕様の妥当性の証明などで効果を確認いただきました。本講演では、その航空幕僚監部様と行った、ミッションから最適な装備品仕様を導出したモデル活用事例をご紹介します。

株式会社図研 DX戦略室 チーフエンジニア 梅津 尚昌様

15:10-15:25
休憩

15:25-15:55
統一アーキテクチャフレームワークUAFに対する実践から得られたツール支援の紹介

デジタルエンジニアリングやミッションエンジニアリングによって期待する効果を得るためには、適切な方法論がツールによって支援される必要があるとともに、ツールが存在することによって、それを使う中で新しい方法論が生まれるなど、ツールが重要な役割を果たします。本発表では、デジタルエンジニアリングやミッションエンジニアリングで重要な方法論の一つと考えられるUAFについて、それを実践する中で得られたさまざまなツール支援を紹介します。

株式会社チェンジビジョン チーフエンジニア 奈良先端科学技術大学院大学 客員准教授 高井 利憲様

15:55-16:25
ミッション・エンジニアリング概論  ~コトづくりへの適用を目指して~

ツールを導入した。ミッション・スレッドを作った。それで、期待する効果は得られましたか?ミッション・エンジニアリングという思想、MBSEという手段、そして道具としてのアーキテクチャ・フレームワークを理解した上で、適用の目的を的確に設定するからこそ、効果を得ることが出来るのではないでしょうか?本講演では、ME、MBSE、UAFについて、細部仕様ではなく、思想論や必要となる概念、活用のための課題といった全体俯瞰的な内容を"コトづくり"の視点からご説明します。併せて、コトづくりへの適用事例として、限られたリソースを想定したコンパクトなMEプロセスの実践ワークショップについてもご紹介します。

三菱電機株式会社 防衛・宇宙システム事業本部 鎌倉製作所 統合情報システム部 システムインテグレーションセンター グループリーダー 三宅川 弘明様

16:25-16:55
民間航空機開発におけるモデルベースエコシステム - 記述型モデルと分析型モデルの活用

昨今の民間航空機業界を取り巻く世界情勢は、堅実な経済成長、型式証明審査の厳格化、脱炭素化の潮流、他業界への人材流出などがあげられる。また、航空機の電化/ソフトウェア化の技術トレンドに従ってシステムの複雑化も進んでいる。さらに、近年の開発プロジェクトは、様々な国籍、文化、言語を持つ大規模チームが複雑拠点で開発することが一般的であり、開発環境も多様化している。これらの内外の環境変化に対応するため、デジタル技術やシミュレーション技術を用いて、開発の効率化を志向する動きが世界的に加速している。本講演では、航空機のライフサイクル全体に様々なデジタル技術を適切に利活用することで、より効率的かつ柔軟な開発製造プロセスの構築を目指す民間航空機業界の取り組みを紹介する。

三菱重工業株式会社 民間機セグメント DX推進室 開発プロセスグループ 設計DXチーム 主席チーム統括 長倉 宏至様

16:55-17:55
パネルディスカッション

防衛装備庁様やAnsys、AWS様と三菱重工業(株)様、三菱電機(株)様を交えた日本のデジタルエンジニアリングに関するパネルディスカッションを実施予定です。

お問い合わせ

アンシス・ジャパン株式会社 マーケティング部 mailto:[email protected] https://www.ansys.com/ja-jp/contact-us ※在宅勤務中につき、大変お手数ではございますが、お問い合わせはメールにてお願いいたします。

ご講演者様のご紹介

Dr. Kei Ota from ATLA

防衛装備庁 航空装備研究所 プロジェクト調整官 長官官房装備開発官(統合装備担当)付(併任)大田 啓様

慶應義塾大学理工学部卒(工学博士)。平成5年4月に防衛庁入庁。国際共同研究や国際共同開発事業を含む各種センサシステムや誘導武器システム等の研究開発や試験評価に従事。平成15年には第1回日米科学技術交流プログラムで米陸軍暗視電子センサ監部に派遣。国際交流関連業務にも従事。

Mr. Andrade from Ansys

Prem Andrade, Distinguished Engineer, Ansys

Prem Andradeは、モデリングとシミュレーションの分野で27年以上の経験を持つAnsys IncのDistinguished Engineerで、複数の業界とアプリケーションにまたがる専門領域を持ちます。特に現在のフォーカスはバーチャルな製品開発におけるデジタルエンジニアリングで、グローバルな顧客と密接に連携して要件から運用までのデジタルエンジニアリングの旅路に伴走しています。 アカデミックなバックグラウンドとしてはIITボンベイ校で機械工学を専攻。

Mr. Ishikawa from Ansys

アンシス・ジャパン株式会社 Lead Application Engineer 石川 学

東京大学科学修士(複雑理工学)。制御、流体、伝熱、光機構、電磁気、パワーエレクトロニクスなど複数の領域で製品設計、および解析による検証フローの構築に18年従事。2019 年にアンシス・ジャパン株式会社に入社。電動化、デジタルツイン、自動運転、自律飛行など、システムおよびシステム・オブ・システムズを対象とするモデルベース開発プロセスの構築を支援するソリューションアーキテクトに従事。

Mr. Umezu from Zuken

株式会社図研 DX戦略室 チーフエンジニア 梅津 尚昌様

パイオニア株式会社で共通プラットフォーム開発および高級オーディオ製品開発のプロジェクトリーダーを務めた後、株式会社図研に入社。製造業全般へのエレクトロニクス設計ソリューションの導入支援に従事。その後、MBSE導入コンサルティングを担当し、多くの企業の導入支援を手掛ける。

Mr. Takai

株式会社チェンジビジョン チーフエンジニア 奈良先端科学技術大学院大学 客員准教授 高井 利憲様

株式会社チェンジビジョン チーフエンジニア、奈良先端科学技術大学院大学 客員准教授、早稲田大学社会人向け講座講師、ISO/IEC JTC1/SC7/WG7国内小委員会委員、ISO/IEC/IEEE15288/12207/29148等JIS化委員会委員。 自動車関連、防衛関連などの方々とMBSEなどの業務や共同研究に従事。

Mr. Miyagawa from MELCO

三菱電機株式会社 防衛・宇宙システム事業本部 鎌倉製作所 統合情報システム部
システムインテグレーションセンター グループリーダー 三宅川 弘明様


東京工業大学理学修士、米国PMI認定PMP。2006年三菱電機株式会社に入社。鎌倉製作所にて防衛省向け情報システム開発に従事。2015年慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科に入学。2023年よりグループリーダーとして航空自衛隊向け情報システムのプログラム・マネジメントに従事。

Dr. Kei Ota from ATLA

三菱重工業株式会社 民間機セグメント DX推進室 開発プロセスグループ 設計DXチーム 主席チーム統括 長倉 宏至様

MRJ/MSJ開発プロジェクトにおいて、機体コンフィグレーションや全機システムインテグレーション等の全機横断的な技術分野を担当。現在は、次世代の民間航空機開発に向けた準備として、デジタルエンジニアリングやMBSE手法を用いた開発プロセスの構築及び試行を推進。

パネルディスカッションご登壇者様のご紹介

Dr. Ishibashi from Innovative Design

モデレータ
イノベーティブ・デザインLLC Founder/CEO 石橋 金徳様


株式会社本田技術研究所にて量産二輪自動車エンジン開発、電気駆動パーソナルモビリティ技術の先行研究開発に従事。その後、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻中須賀研究室において、50kg級超小型衛星システム開発のプロジェクトマネージャ兼システムズエンジニアを務めた。現在はイノベーティブ・デザインLLCの創業者/CEOとしてシステムズエンジニアリング、MBSEを応用したプロフェッショナルサービスを行う。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科にて特任助教も務めており、システムズエンジニアリング/MBSE科目などを担当。

Dr. Kei Ota from ATLA

防衛装備庁 航空装備研究所 プロジェクト調整官 長官官房装備開発官(統合装備担当)付(併任)大田 啓様

慶應義塾大学理工学部卒(工学博士)。平成5年4月に防衛庁入庁。国際共同研究や国際共同開発事業を含む各種センサシステムや誘導武器システム等の研究開発や試験評価に従事。平成15年には第1回日米科学技術交流プログラムで米陸軍暗視電子センサ監部に派遣。国際交流関連業務にも従事。

Dr. Otani from AWS

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 パブリックセクター統括本部 国家安全保障事業本部 事業本部長 大谷 康雄様

2023年アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社入社。パブリックセクター国家安全保障事業本部長として防衛省をはじめ関係省庁、非営利団体、及び防衛関連企業におけるクラウドネットワーク導入事業を推進。防衛分野のお客様向け各種啓蒙活動やシステムインテグレーターからスタートアップを含めたパートナーシップ構築活動を通じて、安全保障分野でのクラウドサービスの進化に従事。これ以前は、航空自衛隊の幹部自衛官として30年以上防衛省・自衛隊に勤務し、戦闘機、輸送機、ミサイル、地上レーダー、宇宙システムなど様々な防衛装備品の開発プロジェクトを指揮。また内閣官房宇宙開発戦略本部事務局(現在は内閣府)への初代派遣自衛官として、SSAなど宇宙安全保障政策を立案した経験を有する。

Dr. Morino from MHI

三菱重工業株式会社 バリューチェーン本部 バリューチェーン技術部 開発支援グループ 主席部員 工学博士 森野 裕行様

1999年入社。航空宇宙機の空力弾性設計・解析・試験に15年、航空機の多分野統合最適設計等の産官学共同研究に約10年従事。2008年より三菱航空機でMRJの空力弾性設計、V&V/TC活動統括、全機統合部門のプロジェクトマネジメント等を歴任。2021年に同社でMBSEプロジェクトを企画・運営。2022年よりMHI全社のSE/MBSE普及定着を推進中。

Mr. Miyagawa from MELCO

三菱電機株式会社 防衛・宇宙システム事業本部 鎌倉製作所 統合情報システム部
システムインテグレーションセンター グループリーダー 三宅川 弘明様


東京工業大学理学修士、米国PMI認定PMP。2006年三菱電機株式会社に入社。鎌倉製作所にて防衛省向け情報システム開発に従事。2015年慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科に入学。2023年よりグループリーダーとして航空自衛隊向け情報システムのプログラム・マネジメントに従事。

Mr. Otani from Ansys

アンシス・ジャパン株式会社 Area Vice President Sales, Aerospace & Defense APAC 大谷 修造

1981年岩崎通信機株式会社に入社。その後、日本ヒューレット・パッカード株式会社を経て、1995年オートデスク株式会社に移籍し、製造業向け事業開発およびアジア太平洋地区マーケティングに従事。その後、日本ブロードビジョン株式会社、ウェブメソッド株式会社を経て、2006年オートデスク株式会社に再入社し、メカニカルソリューション事業本部長を歴任。2013年IHSグローバル株式会社にて代表取締役社長に就任。2018年5月より現職。